何で給与上がらないんですか?忌憚なき意見飛び交うイタンジGoodチームの秘訣とは

何で給与上がらないんですか?忌憚なき意見飛び交うイタンジGoodチームの秘訣とは

 

wevoxで組織改善をしている企業様の中で、特にwevoxスコアが高いチームに限定した『Goodチーム(※)とその秘訣』を探る、Goodチームインタビュー。
記念すべき第1回目は、2012年設立「不動産 × IT」で急成長中のイタンジ株式会社『ノマドクラウドチーム』の取締役CTO、横澤さんにお話を伺ってきました!

 

※wevoxご利用企業のうち上位1%程度しか存在しない、エンゲージメントスコアが非常に高いチーム。(100点満点中、81点以上のスコアのチームです。)

 

まず、会社について簡単に教えてください

不動産×IT領域(不動産テック)で、様々な事業を行っています。代表の伊藤がもともと不動産事業をしており知見があったことや、まだまだ電話やFAXなどが当たり前になっている極めてアナログな業界ということもあり、実業知識とテクノロジーを上手く活かしてこの領域で複数事業を展開しています。

事業の成長以上にカルチャーフィットを大事にされていると伺いましたが、具体的にどういうものですか?

5つの行動指針です(①それはVALUEあるのか、②即決して即行動、③自分の思考を表現しよう、④誰も居ないところへ飛び込め、⑤それはクレイジーか?)。もともとは、私が入社した当時の役員3人が考えた10個の行動指針があったのですが、実態としては、社員の誰もが知らない、という状態でした(笑) 入社時にさらっと耳にしてそのまま忘れ去られる、という存在で、あまり機能していなかったです。それによって、、組織が大事にしている考え方を後から入ってきた人は全く理解できないという問題が起こりました。理解できないにも関わらず、実際はその行動指針が評価や年収に反映されるので、さすがに納得感がないよね、という話になり、トップダウンで決めるのではなくメンバーが議論してボトムアップによって再定義しました。また、行動指針というのは、これは私の持論なのですが、言葉が先行するものではなく、日々の言動の積み重ねによって作られるものだと思っています。なので、役員だけで作ったものではなく、メンバーみんなでちゃんと議論して作るのが自然だと考えています。それが丁度一年前くらい。ちなみに、もともとあったものから引き継がれたものは一つだけで、他は全部消えました(笑)

wevoxスコアが80点を超えるチームが全体の1割にも満たない中で「ノマドクラウドチーム」が80点を越えました!どのようなチームなんですか?

私は「Aが一つもない、ヤバい!」と思ってたくらいです(笑)(※wevox上で80点以上は「B+」です)ただ「ノマドクラウドチーム」は本当にいい状態だなと思っています。会社全体の立ち位置としては、稼ぎ頭なので、実はかなり厳しい目標を持っているチームの一つです。にも関わらず、メンバー全員から「もっとやってやろうぜ」という気迫を感じます。なので今回wevoxのスコアが高いのには凄く納得感があります。

目指しているチーム像ってあるんですか?

正直あまりなかったです(笑)どちらかというと、プロジェクトが立ち上がることに集中していたのでチームのことまで考えていませんでした。ただ「ノマドクラウドチーム」は会社が大事にしている行動指針を愚直に体現していると思います。別にカリスマ的なリーダーがいるわけでもないですし、さらに言うと今も会社が明示するリーダーはいません。福崎という者がほぼプロダクトマネージャーのようになっていますが、会社から「君にノマドクラウド事業部長を任せます」というようなことは一切やっていません。

それは敢えてなんでしょうか?

敢えてです。結構前から重要視して意識的にやっています。そもそもリーダーに任命した人の判断が正しいということは相関が無いと思っています。更に、事業というものは当然ながら開発/営業/マーケティング等、必要な要素が多岐に渡るので、1人のリーダーがその全ての判断について責任を持つのは現実的でないと思っています。福崎はエンジニアなので、開発は責任をもって意思決定します。ただ、営業に関しては彼が意思決定せずに、営業のメンバーが意思決定をしています。

まさにボトムアップなんですね

そうですね。私が一般社員として入社した当時、ファウンダー兼取締役という立場の者がいたのですが、やっぱり非常に影響力があるんですよね。たとえ本人が意識しなくとも、無意識的にみんな言うことを聞くようになっていました。進むべき方向性が正しいのであれば問題ないのかもしれませんが、あくまでも人は人なので、別に取締役だから常に正しいというわけではありません。結果的に事業の状況が芳しくなくなったので、一旦ゼロベースで、残り1年で会社が潰れるとしたら何をやる?ということをみんなで議論する合宿を行いました。それで出来たのが、今会社の屋台骨となっている「ノマドクラウド」や「ぶっかくん」です。これは役員発ではありません。事業に向き合って、正しいことを考えて正しくアクションしている人が一番正しいので、そのためには「リーダーのようなラベリングって必要ないのでは?」という発想になり、どんどんフラットになっていきました。

そういうものがあったこともあり、自分の思考を表現しよう、ができたんですか?

はい、現にノマドクラウドチームはメンバーからプロダクトのアイディアがガンガン出てきます(笑)今でこそ、長期戦略と照らし合わせると今取り組むべきではないよね、という話になりますが、少し前まではそれすらもなく、エンジニアが思いついたアイディアが私の知らない間に実装されている、ということはよくありました(笑)。もちろんKPIは全員で追っているので、悪化したらすぐ引っ込めるというルールは徹底していましたが。

それ以外に、組織を良くするための具体的な取組はありますか?

情報の透明性には気を遣っていて、例えば全員にPLを公開していたりします。個人の年収は残念ながら見れないのですが、PLを見ると事業部毎に人件費がでているのでほぼ分かっちゃいます(笑)。情報をオープンにしているので変な密談みたいなことはないと信じたいですね。それ以外には、何でも気軽に匿名で質問できる全体会議( 通称TGIT / Thank God It’s a Thursday! )を行っています。余り大きな声では言えませんが、もともと人の入れ替えが激しく、コンテキストの理解が弱くなるという課題感があり、ざっくばらんに議論出来る場として設定しました。ちなみに今日の夜まさにそのTGITがあります。

具体的には何をするんですか?

匿名の2ちゃんねるのような掲示版に社員が自由に質問できるようになっていて、それに答えていく、というものです。ほとんど質問の対象は代表の伊藤か私で、 「なんでこれをやってるんですか」とか「なんでこれやらないんですか」みたいなことがバンバンきて、それに対して答えています。どうしても日本人の性質上、面と向かって意見を言えない人もいると思うので、そういった部分も踏まえて誰でも意見が言える場を作っています。実は今日も、「ああ、言いづらかったんだろうな」という質問をもらっています。例えば「ちょこっとだけ遅刻する人いるけどそれに対してどう思ってるんですか」みたいなことです。

それだと、あの人のことを言ってるなというがことが分かると思いますが、どんな空気になるんですか?

それなりに寒い空気になりますよ(笑)。以前、「なんで給与が上がらないんですか」という、どストレートな質問がきたことがあったのですが、それに対して「売上が上がっていないのだから給与を上げるのは難しい」という返答をしてしまって、場がしーんとすることもありました。ただそれも含めてイタンジの文化だったりするので、それを避けないほうがいいかなと思っています。会が始まる直前に、ばーっと書き込まれることが多く、事前に準備できないので普段思っていることを素で話しています。それ以外の取組としては、wevoxを導入したことですね。

ありがとうございます!ちなみにwevoxを導入してみてどうでしたか?

時系列で組織の状態を把握できるのが気に入っていますね。実はサーベイは以前からやってはいたのですが、Googleフォームでやっていたので集計がとにかく大変でした。定点の結果は把握しますが、時系列で把握することまでは面倒でやっていませんでした(笑)。ただ事業の状況を時系列で見るのは当然で、それと同じ様に組織の状況も時系列で見ることがやっぱり重要だと思うので、それが手軽にできるのは非常に良いと思っています。

サーベイの結果についてはどうでしたか?

意外だったのが、オフ時の人間関係スコアが高かったことです。うちの会社では、例えば土日にみんなでBBQをしよう、というオフラインイベントが殆ど無く、割りとオンオフがハッキリしている人間関係というイメージだったので(笑)。ただ、仕事ではガツガツ言い合っているけれども人間関係はそこそこ良い、というのが分かって安心しました。あと一番嬉しかったのが、理念/戦略/事業への共感のスコアが高かったことです。会社として一番大事にしていることがミッションとバリューなので、それが高かったことは純粋に嬉しかったですね。

wevoxで直してほしいことってありますか?

たまにサービスが重くなるところですかね(笑)。後は、サービス外の部分でもあると思いますが、サーベイに回答する動機づけをもっと強くする方法があったらいいなと思っています。今は、回答率は80%と、一般的なサーベイツールと比較したら高いのかもしれないですが、やっぱりまだ答えてない人が何人かいます。そういう人たちの動機づけをもっと強くしたいですね。結果を見る側の動機づけも強くしていきたいので、今日の会議で「事業戦略は時系列で見るのになぜ組織状況は時系列で見ないのか」という話をしようと思っています。

今後の組織に関する展望を教えてください

今の組織は結構良い状態だと思っています。結果的にそれがPLにも如実に現れていると確信しています。社員数が増えていくと変えないといけないことが増えていくと思いますが、変えないでどこまでいけるか、というのが個人的な挑戦です。今の状態を変えないために、どういう構造がベストか、どういうツールが必要なのか、ということは常々考えています。ただそれは、壁にぶつかってみないと分からないことだとも思うので、常にアンテナを張りながら組織を創っていきたいと思います。

横澤さん、ありがとうございました!

 

インタビューを終えて

今回イタンジ株式会社のGoodチーム取材を終えて印象的だったのは2点です。

1点目は、事業や企画の成功確率を高める為に、明示的なリーダーの廃止や、メンバーの一人ひとりがリーダーシップを発揮するような関係性やカルチャーの構築。そして2点目は、同社が掲げている行動指針やカルチャーの浸透・体現の重要性。

元々は、イタンジ株式会社と聞くとプロフェッショナル集団で、組織というよりは個としての強さが印象的でしたが、今回のインタビューで組織としての強固さを知ることができました。PLにも如実に現れているということから、ますます今後のご活躍が楽しみです!

ネガティブな事に対しても向き合い「それも含めてイタンジの文化だったりするので、避けない方が良い」という横澤さんの言葉が、強く印象に残りました。



組織改善プラットフォーム wevoxでは、
現在無料トライアル30日キャンペーンを行っております。

ぜひ、自社のエンゲージメント指数を把握し、
より良いチーム作りをはじめてみてください。
お問い合せ、お待ちしております!

wevoxの全てが丸わかり!

CTA-IMAGE エンゲージメントをスコア化することで離職防止やパフォーマンスの可視化につなげることができるwevox。 wevoxの説明資料やエンゲージメントに関する資料が一括で見ることができます。

Goodチームインタビューカテゴリの最新記事