組織のエンゲージメントを高め、「自走する組織」を作りたい。データ分析のプロはwevoxをどのように活用しているのか?

組織のエンゲージメントを高め、「自走する組織」を作りたい。データ分析のプロはwevoxをどのように活用しているのか?

 

wevoxで組織改善に取り組んでいる企業様の導入秘話に迫る「導入事例」シリーズ。

今回は、データに基づく論理的なマーケティングを提供することで定評のあるデジタルエージェンシー・株式会社エフアイシーシーのケースを紹介します。データを扱うプロである同社がwevoxのどこに興味を持ったのか、何に価値を感じているのか、導入後の社内の変化などについて、取締役の森啓子氏、戸塚省太氏、メディア・プロモーション事業部プロデューサーの加田木智也氏の3人に伺いました。

 

現場社員からの提案をきっかけにwevoxを導入

−導入のきっかけを教えてください。

(加田木)今は僕が個人プロジェクトのようなかたちで社内のエンゲージメント向上のために取り組んでいるのですが、そのきっかけになったのが退職率の問題でした。単純に、一緒にやってきた仲間が辞めてしまうのがもったいないという気持ちがあって、そこをどうにかしたいと思ったんです。それで調べていったときにエンゲージメントというものを知り、そこをちゃんと考えていけば退職率が下がるのではないかと思い、森と戸塚に相談したんです。

(戸塚)加田木は元々は現場の他の社員同様、クライアント案件を担当するプロデューサーだったんです。そういう主体的な提案があったので、じゃあ社内プロジェクトとして進めようということになったんですよね。

(加田木)はい。それでまずは社内の現状がどうなのか知ろうと考えて、アンケートをとることにしたんです。Googleのフォームを使って作ったのですが、100問を超えるような大きなものになってしまって(笑)。考えて集計する側も、答える側も辛いし、これは運用していくのは厳しいよねと。でもアンケートを通じて見えてくるものがたくさんあったんです。だったらもうちょっと楽にできないかということで探したところ、wevoxを見つけました。

−wevoxの導入以前に、アンケートの他に社員向けに実施していたことはあったんですか?

(森)テクニカルなものとしてはなかったのですが、FICCでは「アドバイザー制度」を導入していて、役員以外の全社員にアドバイザーをつけています。成長目標シートを活用して、四半期に一度、必ず成長設計をアドバイジングすることで、現場の状況をマネージャーが把握していくという流れがありました。

(戸塚)でも、どちらかというとマネジメント自体に特化したアセットやツール、教育プログラムがあるわけではなかったんです。

(森)プレイヤーに対する教育アセットはものすごくたくさんあるのですが、マネジメントを対象にした部分は、多くのことが属人化していたのが現状でした。だから、全チームに共通する課題も当然ある一方で、チームによっても課題はそれぞれで、それこそ退職率にもむらがあったんです。

−チームの状態を見える化する目的でもwevoxを活用してくださっているのですね。

(森)そもそも、マネジメントができていなかったのはマネージャーのせいではなく、会社としてちゃんと体系化できていなかったことが問題だったわけです。それに、マネージャーたちも退職者を出そうと思ってやっていたわけではないので、一番辛かったのは彼らだったはずなんです。そうした申し訳ない状態を解消するために何かしないといけないと思っていたので、加田木からwevoxの話をされた時は「すごいいい提案をしてくれたな」と思ったんです。

口コミで興味を持つ。費用面でも導入しやすかった

−詳しい活用方法を伺う前に、もう少しwevoxのどこに興味を持っていただいたのか教えていただけますか?

(加田木)最初に知ったのはネットでしたが、実際に会社で導入している知り合いの方からの口コミで、「すごくいい」とは伺っていました。あとは値段ですね。金額によって提案しづらいものも当然あるわけですが、この価格設定であれば問題なく「イエス」と言ってもらえるだろうな、という気持ちはありましたね。

(森)話を聞きながら、実は金額を聞くまではヒヤヒヤしていたんです(笑)

(戸塚)集計まで簡単にできそうだということが見えたうえで、この金額ですしね。そこはすぐにイエスですよ(笑)

(加田木)僕らは普段の業務でもデータを扱うことが多く、特にマーケティングを可視化するためにデータを活用しています。だから、データを定点的に見ていくことが非常に重要であることは分かっていました。だから、自社の取り組みにおいてそこのハードルが下がるというのはとても嬉しかったですね。

−皆さんへの周知はどのようにされたのでしょうか?

(加田木)ちょうど導入する8月のタイミングで、あらためて会社としてのミッションやビジョンを再定義して共有する場が設けられたんです。その中でHRの取り組みの一環として、wevoxを導入しますという話をしてもらいました。

(戸塚)その前に行っていたGoogleフォームのアンケートによって、マネジメントや働きやすさが明確な課題として見えていたので、今後はそれをさらに良くしていくためにも皆の意見を定期的に吸い上げて、フィードバックしていきたいと考えていることを話しました。それをやるうえでwevoxは簡単ですよ、というのも伝えましたね。

「できていること」がわかればマネージャーが自信を持てるように

−実際にやってみての反応はいかがでした?

(加田木)8月に開始してからしばらくは月に一回の実施で進めていましたが、回答の反応がよかったので、10月からは隔週に頻度を早めています。

(森)私はマネージャーを兼務しているのでその視点で話をさせてもらうと、結構な頻度でやれているのがいいですよね。リアルタイムで推移が分かることが大きな価値ではないかと思っています。

−それはどういうことでしょうか?

(森)マネジメントにはスピーディーなアクションが必要で、ちょっと気になったことがあればすぐに声をかけるとか、放置しないのが大前提じゃないですか。誰が回答したかが分からなくても、「チームとしてこのポイントが下がっているな」というのが見えれば、そこには必ず何かしら要因があるので、そのためにスピーディーに対策がとれるのはいいことですよね。クオーターごとの面談もありますが、それでもタイムラグはどうしても出てしまうもの。もちろんその間のOJTはやっていますが、チームとしての定量的なチェックが隔週でできるというのは非常にありがたいですね。

(戸塚)まさにそこですよね。

(森)あとは、マネージャーにとっても自信につながっているようです。本人は頑張っていて、会社としてもきちんと評価はしているものの、一方で漠然と退職者が出ているというファクトもあった。マネージャー自身がどこかで「うまくできなかったんじゃないか」と思っていたと思うんです。でもwevoxの数値を見ることで、「ここはできているな」「ここはよかったんだな」という確認ができるのは、自分への自信にもなっているようです。しかも、そうやって自信がついたマネージャーは元気よくノウハウを発信してくれるようになりました。

−今は全社員に公開しているわけではないが、マネージャーと接することを通じて、自社が変わってきているなという実感を皆さんが感じ始めているということですね。

(森)まさにそうです。「チームが良くなっている」といった声も実際に出始めています。「できていないこと」を知る価値ももちろん大きいですが、「できていることをちゃんとできていると認識できること」にも大きな価値があると思います。

(加田木)それについては、項目もいいなと思っているんです。漠然と「マネジメント」といわれても…ですが、一つずつ見ていくと結構具体的ですよね。「ここはできている、できていない」がそれぞれ判断できるのは価値がありますよね。

問題に対してのソリューリョンをセットで見出すことに価値がある

−wevoxを導入したことで、何か組織に影響はありましたか?

(森)加田木が以前、エンゲージメントについて「心理的安全性」がすごく重要だというインプットをくれたんです。お互い否定されると心理的安全性が消えていくんだと。だから、wevoxをツールとして使う時に工夫しているのは、マネージャーが結果を見て「チームとして長けていること」「チームとしては長けていないけど他のチームに教えてほしいこと」を宿題としてデータ分析してもらうこと。さらに、それを持ち寄る場をつくることです。そうすると、自分たちができることだけでなく、できていないことも認めることができて、さらにそれを誰かから教えてもらいたいという会話が自然に生まれてくるんです。そうなればお互いがディフェンシブにもならないし、心理的安全性も生まれて、建設的にマネジメント改善のノウハウシェアリングが起こるようになりました。

−それは、数字で見えるという部分が大きかったのでしょうか?

(森)数字がファクトなので。その要因について深掘りしていくところに時間が割けますし、改善を進めるうえでとても効率的です。しかも、「あのチームのここが下がっているからナレッジシェアリングできるかな」みたいに、お互いがにヘルプし合うようなマインドは、日に日に強くなっているなあと感じています。

だから、問題を見つけるというよりは、問題に対してのソリューションをセットで見出していくというところに価値があるのかもしれませんね。各チームの特徴や、うまくいっている部分が具体的に見えてきて、そのナレッジやソリューションをお互いに共有していくことができ始めたことが、wevoxを導入して一番良かったことだと思っています。まさに、シェアできる喜びですね。

−特に皆さんは仕事柄、データ見るプロですしね。

(森)データ、大好きです。データで見せられたらノーとは言わない(笑)。さらに数字を見ると分析したくなっちゃう。

(加田木)数字に対してみんな真面目なんですよね。材料さえ与えれば、それに対してどう考えるかを自主的にやってくれるところがあるので、そこは可視化するというのが上手く働いたなと思います。

(森)もう一ついいなと思ったのは、うちには京都に支社があるのですが、そことのナレッジ共有ですね。同じ社内でも、距離が遠かったり事業が違ったりすることがありますが、wevoxの結果を共有することで、互いにチームの状態に対して共通認識を持てるじゃないですか。そうなると、京都だろうが東京だろうが「あのチームに教えてもらいたい」という会話が生まれて、物理的な距離すらブレークスルーしてくれると期待しています。だから、我々のように支社がある場合にもメリットは大きいなと思いましたね。

(加田木)wevoxを見ていると、離れていても状況が見えている気がします。ちょっと交流があっただけで数値がガンと変わったりして、「おおっ!」って(笑)

wevoxをコーポレートと現場をつなぐ「架け橋」にしていきたい

−今後目指していきたい組織像について教えてください。

(戸塚)目指しているのが、「自走する組織」です。会社を良くすることを現場と一緒に作っていくというマインドに、将来的には持っていきたいと考えています。正直なところ、まだ現場とコーポレートの部門とが分断されている状況だと感じています。でも、現場の社員がwevoxを回答することは「会社を良くしていくこと」に参加する一部のアクションともいえます。だから、wevoxにしても“やらされている感”ではなく、みんなが「これを通じて会社を良くしていくんだ」と思えるところにまで腹落ちしてくれるとすごくいいなと思っていますね。

(森)先ほどもお話ししましたが、FICCの社員は日々仕事でデータを扱っているので、マネジメントであってもデータがあれば、分析が自然に始まったり、マネジメントノウハウの体系化が主体的に動き出すんですよね。だから、こういう情報をHRが戦略的に現場にパスしていくことは、HRとしての一つの価値提供ではないかと思うんです。

(戸塚)「架け橋」じゃないですが、お互いに立場が違う中であっても、共通言語を持って同じ目的のために力を合わせるみたいな感じにうまく巻き込めるといいなあと思いますね。

−そのために課題だと感じていることはありますか?

(戸塚)wevoxのデータを踏まえて我々がどういうアクションをとったのか、リターンがもっと見せられればいいのかなと。そうすれば、他のことについてももっとアクションがとりやすくなると思うんです。それが結果的に現場とコーポレートが一体感を持つことにもつながるのかなと。そういう意味では、いずれはwevoxの情報は現場社員にも公開していきたいと思っています。

(森)ただ、データはデータでしかありません。人によって見る視点が違うので、そこにどういう文脈を乗せるか、何の目的で見るかがきっちり定まっていないと、いけません。社員にただ公開しただけでは、「で、どうしたらいいの?」ということにもなりかねない。だから、マネジメントにおいてどういう成功実績があったのかも含め、「だから開示するんだ」「何を期待しているんだ」というストーリーの部分まで伝えていかないといけないのかなとは思っていますね。

−そのための足場づくりを進めているという感じなのですね。

(森)FICCは、主体的に手を挙げたことに対してチャレンジできる環境があります。元々プロデューサーをメインとしてやっていた加田木が、感じていた会社の課題に対して取り組んでくれたように、まさに主体的に動いて提案してくれる社員が増えていく、そんな会社を目指していきたいと思っています。

(加田木)僕が社内のことに対して主体的に取り組んでいるからだと思うのですが、最近は他の社員から、「ワークショップをやろうと考えているんですが、話し聞いてくれませんか?」みたいな感じで声をかけられることが増えているんです。だから今後は、僕の方から皆に対して場を提供できるようにして、「自走する組織」をつくっていきたいと考えています。

(森)最初の課題だった離職率についてもトラッキングを始めたのですが、既に改善が見え始めているんです。最終的にはそれぞれの数字が上がっていくことはもちろんいいことではありますが、定点的にwevoxから見えてくることをマネジメントで会話し、より良い組織づくりに役立てていければと思っています。

加田木さんの提案がきっかけとなり導入いただきまして、今では支社をまたいだマネージャーへのナレッジシェアや、離職率の改善傾向が見られるなど、活用・改善のサイクルをしっかりと回すことにスコアを役立てていただいてます。

意思決定のスピードを含め、同社の組織の強さを感じたインタビューでした。

インタビュー内でも多くお話いただいた、『見える化』する価値は、課題を特定するだけでなく、その組織において『何が良いとされることか』という事を判断する基準にもなります。

マネジメントや組織作りというものは、定性的な意見が強くなってしまいがちですが、同社の取り組みのように『見える化』することが何に繋がるのかという、良いナレッジをきちんとシェアできる未来を創っていきたいと思います。

 

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