現場仕事ゆえの、社員間のコミュニケーション不足をどう把握すべきか?

現場仕事ゆえの、社員間のコミュニケーション不足をどう把握すべきか?

 

wevoxで組織改善に取り組んでいる企業様の導入秘話に迫る「導入事例」シリーズ。

今回は、愛知県豊田市で造園業を営む株式会社バンブー苑の代表取締役・若松憲造氏にご登場いただきます。創業から46年、職人気質が残る職場における特有の課題について語っていただきながら、どのようにしてwevoxを活用していこうとお考えなのか、導入のメリットや目指す組織像などについて話を伺いました。

 

「会社の将来の姿」についてうまく共有できていなかった

– 始めに、導入のきっかけについて教えてください。

社員の認識と、自分が思っていたものとの間に、少しズレがあるなと感じたことがきっかけでした。

どういうことかというと、求人広告を出すために社員にアンケートを実施して、会社のいいところなどをいろいろと答えてもらったのですが、そこでの回答の3割くらいの項目で、自分が思っていたのとはちょっと違う声が聞けたのです。

その時に、私自身も彼らの考えを把握しきれていないのではないかと思ったわけです。その解決策の一つとしてサーベイのようなものの必要性を感じた矢先に、wevoxを知りました。

– 参考までに、「意外だった社員の声」というのがどういうものだったのか教えてもらえますか?

いい点・悪い点の両方がありましたが、中でも一番大きかったのは、「この先、会社がどういうふうに進んでいくのか」という部分についてです。

私の中では、ある程度、皆が把握してくれていると思っていました。でも、どうやらそうではなかったみたいで…。

– それは結構、危機感を持つポイントですね。ちなみに、wevoxのどこに興味を持ってもらえたのでしょうか?

まず、課金の仕方が「一人あたりいくら」ですよね。そこは結構大きかったです。こうしたツールの多くは、「一社いくら」というものが多いと感じていて、それだとうちのような小さなところでは、予算的にも検討すらできません。

あとは、少人数の会社の場合、いくら無記名で調査を行ったとしても、アンケート項目の作り方や回収方法によって、「誰がこの回答をしたのか」がわかってしまうのではないかと思いました。少なくとも、私が回答する側だったら多少なりそう思うと思うんです。だったら、設問作り、回答から収集までを外部にお願いでき、誰が答えたかも分からない仕組みで簡単に運用できるのであれば、継続して実施していけるなと思いました。

強みと弱みを明確化し、求職者への訴求ポイントを探る

– wevoxを導入しようと思った理由について、もう少し伺えますか?

大きく分けて2つあります。まず1つ目が、正社員とパートの比較です。

私たちの仕事は基本的に現場作業なので、各現場に分かれて業務を行います。そのため、正社員は週に1回、情報共有のために集まって定例会を開いています。仕事の進捗状況や今後の予定の確認のほか、私が展示会などで聞いてきた話を共有したりする場です。でも、いろいろな業務をサポートしてくれているパート社員には、そういう場がありません。

ミーティングの場があるかないかで、どのような差が出るのかが気になっていました。パート社員でも、そういう場が月に一度でもあった方が、会社への理解や仕事のモチベーションなんかが変わってくるものなのかなと思ったのです。

– もう1つの理由というのはどんなことだったのでしょうか?

自社の「強み」と「弱み」を見つけたいと思ったことです。

wevoxのような新しいツールを導入している会社の多くは、感度が高いIT企業が多いように感じています。我々のような建設業界の小さな会社は、たとえば就活中の大学生に対し、IT業界の人気企業と比べて何を訴求していけば興味を持ってもらえるのかが気になっていました。 最近、ちょっとした講義などで大学に足を運ぶ機会があったのですが、エアコンのきいたきれいな教室で過ごしてきた学生さんたちが、僕らの仕事のように作業着を着て屋外作業という働き方を、はたして選択できるのか、そこに疑問を感じたのです。だからこそ、他の業界と比べてみる必要があると思いましたし、wevoxの導入実績を見る限り、これなら最適だと思いました。

離れた世代の相互理解とコミュニケーション不足の解消を目指す

– 社内のコミュニケーション量というのが、一つの大きな課題になっているというわけですね。

そうなんです。現場が終わる時間もそれぞれ違いますから、全員終わるのを待ってミーティングをしようと思うと、残業の問題などにも関わってきます。ですから、仕事の後の時間はあきらめるわけですが、そうすると社員同士が顔を合わせてコミュニケーションをとる時間というのが本当に少なくなくなってしまうんです。実際、wevoxの第一回目のアンケートでも、「社内で雑談が少ない」という声は多かったんです。

採用の課題でいうと、新しい人が入ってきても、若い人から辞めていってしまいます。というのも、この業界は高校を出たばかりの10代後半から70歳を超えた人までいるので、世代間の幅がものすごく広く、そうした隔たりによってなかなかお互いの理解が進みにくい現状があります。

私は現在43歳ですが、私たちの世代には、一生懸命に働いて家や車を買って、次はいい時計を持って…みたいな価値観がありました。でも今の若い人たちは違うじゃないですか。「どうやって家族を養っていくんだ」と聞いたら、「独り身でいいです」みたいな(笑)。私らを含めた上の世代の価値観とは大きな隔たりがあって、人生設計に対する考え方もまるで違うんです。

– 今後は、世代交代を含めて、そうした若い社員の採用が欠かせなくなりますよね。

そこなんです。社内がそういう人たちばっかりになっていくんだとしたら、それを前提に「何で束ねていく必要があるのか」をもっとちゃんと考えておかなければいけないと思いました。

特に、僕らの業界はシステム開発会社で例えるならば「一流のエンジニア」と「エンジニア見習い」しかいません。横ぐしで刺せるほど職種がなく、全て縦串です。そうやって組織を束ねるのが当たり前でここまで来ましたが、最近は縦に串を刺そうにも、横にころんと逃げてしまうというか、うまく束ねられないんです(笑)

では何をもってして束ねたらいいんだろうかと考えた時に、wevoxで集計されるような項目なんだろうな、ということを感じ始めています。

認め合う文化をつくることで、組織改善を図りたい

– 実施してみて、皆さんの反応はいかがでしたか?

実を言うと、実施前も実施後も、そんなに大きな反応はなかったです。ただ、回答率はよかったですよ。正社員だけを対象に実施しているのですが、回答がなかったのは1人だけ。最初に細かい説明はしないでスタートしたので、3カ月くらいやった時点でその結果を見せて、実施の目的についてはちゃんと説明しようと思っています。

おそらく、社員たちは「また何か始めたな」という感じて見ているのかもしれません。というのも、新しく自社商品を作ったり、つい最近だとデンマーク製のラジコン草刈機を購入したりと、業界内でもいち早く新しいことに取り組む会社なのを皆は分かっているからです。

とにかく慢性的に人手が足りていません。入っても辞めてしまうの繰り返しです。そこについては、全社員が感じている共通の課題ですから、「人の採用につながって、しかも入ってきた人が辞めなくなるために必要なアンケート」だと理解してもらえたら、より強い気持ちで協力してくれるはずだと思っています。回答を見た感じでは、皆さん正直に答えてくれているようですし、これからも楽しみですね。

– 回答結果を見てみて、感じたことはありましたか?

スコアについての分析はこれからですが、最も考えさせられたのは「承認」の部分です。「できて当たり前」の考え方が普通になっている業界ですし、企業文化としてそこが弱いのは分かっていました。ただ、最近は女性社員も増えてきたので、若い世代も含め、認め合う文化を形成していく必要があるなと感じています。

これは余談ですが、wevoxを通じて従業員一人ひとりの声をしっかり聞くようにしている会社なんだというところについても、セールスポイントの一つとしてアピールしてもいいのかなと思ったりしています。

wevoxの活用で「3つの柱」を育て、会社を成長させたい

– 最後に、wevoxを通じて実現していきたい「目指す組織像」があれば教えてください。

これからは、「この業種が好き」というよりは、「この会社・この組織なら長く働けそうだ」という価値判断が当たり前の世の中になっていくと思っています。

だから、学生や若者への訴求という点でも、「うちの会社はこうですよ」「うちで働くとこうなれますよ」といったところにフォーカスして伝えていくことの重要度は増すでしょう。そして、そのために必要な情報が得られるツールとして、wevoxは最適だと感じています。

最終的な目標としては、「バンブー苑で働いていていいよね」と同業他社から言われる会社になりたいんですよ。そうなるためには、「経営面・金銭的」はもちろんのこと、「働いている人がどう思っているのか」「その組織のビジョン」という3つの柱を全て、今以上に成長させる必要があると思っています。

この3つが柱をきちんと整えられれば、自ずと業界内でも差別化できるはずですし、より多くの人に興味を持ってもらえる会社になれると信じています。

 

元々社内の状態把握や、サーベイ等は全く検討していなかった同社が、会社の将来を考えた時に危機感を覚え、即時導入することを決めてくださいました。その中で、業界特有の問題なども聞くことができ、エンゲージメントという概念はどの業界でも組織体であれば通用する一方で、取り巻く環境や業界によって課題や気になるキードライバーが異なるということを再認識することができました。同時に、自社と同業の企業が使っているから利用を始めたという声は多く聞くものの、あえて異業種であるIT企業が数多く利用しているからこそ、その企業群の魅力がどんなところにあるのか知りたいという考え方も非常に興味深かったです。若手採用を含めた会社の未来を考えた時に、若い人が興味を持つポイントはどこなのかをエンゲージメントの側面から探っていく同社の取り組みはとても共感できるものだったので、このような取り組みを行う企業様が増えてくることを期待したいと思います。

 

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