「事業」と「組織」の両輪で成長するためにwevoxをどう活用する?

「事業」と「組織」の両輪で成長するためにwevoxをどう活用する?

 

実践的な組織づくり戦略や組織改善プラットフォーム「wevox」の活用方法を紹介する「活用事例シリーズ」。今回は、「ファーストペンギンの精神」で挑戦を続けるテクノロジー企業のマイクロアド社。組織偏差値を上げる施策「PlanS60」に取り組み、事業と組織の両輪で回る組織を目指す同社。組織の拡大フェーズで、どのようにwevoxを活用し、理想の組織を作り上げているのか、たっぷりと語っていただきました!

 組織偏差値を上げ、事業と組織の両輪で戦える環境を目指す

−今回は、マイクロアドが目指す組織の姿や、そのための取り組みを教えてもらえればと思います。

(緒方)よろしくお願いします。

(伊藤)当社が今、まさに取り組んでいるのが、「組織偏差値60を目指す」ための施策で、「PlanS60」と社内では呼んでいるものです。これは、今後のマイクロアドがさらに成長・拡大するために、「事業」と「組織」の両輪で戦おうという方針によるものです。

(緒方)目指しているのは、事業と組織が両輪で回っていくような組織であり、誰もがわかる物差しで状態が把握されている、事業と整合性のある組織です。その実現に向けた取り組みの一つとして、wevoxを採用しました。

−マイクロアドの組織の特徴とはどういう点だとお考えですか? 

(伊藤)常にポジティブで、変化を楽しみながら前に進める強さだと考えています。前例がないことでも挑戦していく文化が根付いていて、実は結構いろんな「業界初」がうちにはあるんです。まさに「ファーストペンギンになろう」と挑戦し続けてきた歴史があります。

 (緒方)ですから、組織が成長して大きくなったとしても、そういう精神がちゃんと残っている組織でありたいとは思っていますね。

(伊藤)そのための施策については、まだまだ議論の途中ですし、組織がどうあるべきかについても明確に見えているわけではないのが本音です。しかし、そこを目指していくことが、組織力を上げることだけでなく、会社としての成長にもつながるはずだという気持ちで、取り組みを進めようという考えですね。 

−施策を考えていく上で、組織に対してどのような課題感をお持ちだったのですか?

(伊藤)当社はデジタルマーケティングの会社なので、データ分析や効果をきちんと見てPDCAを回すといったことは非常に得意です。にもかかわらず、組織づくりにおいてはなかなかそれができていませんでした。そして、その危機感は経営陣の中にもあったんです。

おかげさまで当社は創業以来、成長を続けてきました。ただ、事業が一旦成長の踊り場に来た時に、「このまま何もしないと組織も一緒に共倒れするんじゃないか」という危機感のようなものが出始めたんです。「組織が事業の成長に追いついていないのでは?」という議論がされることもありました。 

−御社の場合は、事業の拡大とともに、組織も急激に拡大している印象がありますが、その影響もあったのでしょうか? 

(伊藤)まさしくそうですね。元々が小さい組織で、みんなの距離が近いのでお互いに何でもわかっていて、社長や役員とも近くで一緒に仕事をして、一緒に飲んで……という風にずっとやってきたんです。

ところが、ここ数年で組織が一気に大きくなったことで、お恥ずかしい話ですが「他部署のことはわからない」みたいな雰囲気が出始めてきてしまいました。その結果、「離職率」が上がってしまったんです。皆がモヤモヤしていた組織の問題がわかりやすい課題として見えてきたときに、「このままじゃいけない、もっとよくしていかないといけない」という意識がみんなの中にできたのは大きかったと思います。

(緒方)そこから、「人間関係」や「自己成長」といった組織の強化につながる施策を実行し始めた、というのが大きな流れですね。もちろん、その前から行っていた施策についてももっと活用していこうという流れができ始めました。

 それを推進していく際に必要になってくるのが、組織を図る「物差し」です。そうした議論の流れの中で、「PlanS60」の一環としてサーベイの導入が検討されていったというわけです。

  

wevoxを通じ、課題だけでなく「組織のいいところ」が改めて認識できた

 −導入までの流れを教えていただけますか? 

(伊藤)まずは当初、別のサービスを導入しました。それによって個人単位ではコンディションを見ることができたのですが、「もっと組織全体を見ていきたい」という話になって、何か別の方法を考えてみてもいいんじゃないかという流れになりました。

  それならばと、次は自分たちでサーベイを作ってみたんです。アナリストに協力してもらって質問項目を考えたり、すごいリソースをかけて内製しました。ところが、ライトに運用できなかったんです。見えてきた課題に対しても、「短期で解決できるのか?」みたいなモヤモヤがあって、そんな流れからwevoxを意識し始めましたね。

−ということは、特に運用面で評価をいただいたと? 

(伊藤)導入時の担当からは、できること、運用のしやすさ、コスト感も含めて一番フィットしたからです。当社の目指す方向性を考えても、自分たちで使いながら自分たちで考える余地のあるものが必要だったんです。それこそ、「一人ひとりがやっていくんだ」という意識で運用できるかどうかが重要でした。

(緒方)その上で「見やすいものを」というイメージはありましたね。サーベイを実施するにしても質問項目がそんなに多くないですし、現場にかかる負担も少ないかなと思いました。

(伊藤)導入して1年ちょっと経ちましたが、いろいろなことが可視化できて、使えば使うほどその価値を感じる場面は増えていますね。

−具体的にどんなことが見えてきましたか?

(緒方)まず、回を重ねるごとに純粋に数値が上がっているんです。こうした動きを捉えられることは嬉しいところですね。それに、いろんな施策によって数値の変動があるので、施策がどう機能しているのかを振り返るのにも役立っています。

  元々「人がいい」というのが感覚値としてあったのですが、いざwevoxを実施してみて、「人間関係」の項目が一番高いスコアで出たのは本当に良かったです。改めて当社の強みを確認できました。 

(伊藤)あとは、wevoxのスコアが1つの共通言語としてマネジメントレイヤーの一部でも語られるようになりました。今の「人間関係」の話ではないですが、これまでは丸っと「こんな感じだろう」と語っていたことが、数値としてわかることで部門ごとで話せるようになったのです。高い・低いというところから、部門ごとの運営方針を考えるようになったり、戦略自体が議論されることが増えたのはすごく良かったですね。営業は営業、エンジニアはエンジニアというように、各役割に応じた組織戦略を語れるようになってきた部分もありますし、組織としての進歩だと思いますね。

−課題となる項目についてはいかがですか?

(伊藤)これは事業コンディションと関係があるのかもしれませんが、「理念戦略」の数値が少し下がっているのがわかったんです。それこそ昔からいる人からすると「今こんなに低いの?」と驚くような。組織が大きくなるにつれて、思ったよりも、理念や戦略が伝わっていなかったのかなというのが如実に感じられたんです。中でも、入社2、3年目くらいのメンバーにモヤモヤしているような感覚値があったのですが、それが数値で出たというか。正直、「やっぱりなあ」という感じはありました。

(緒方)当社のビジョンが「Redesigning the Future Life」という抽象度が比較的高いものなので、それが自分たちのミッションにどう降りてきているのか、しっくりきていないメンバーはいるだろうという予測はあったんです。 

(伊藤)決して、今の数値が低いわけではないのですが、理念への共感がストロングポイントだと思っていたからこそ、「組織状態が変わってきているんだな」と感じさせられましたね。

 加えて、「自己成長」の項目ですね。元々、成長できる環境を売りにしていたのに、「理念戦略」と同様に、2、3年目のメンバーを中心にそこが下がるというのは会社としての課題なのかなと改めて感じました。

 

試行錯誤しながら施策を打ち続ける

−見えてきた課題を、「PlanS60」の中でどう活用して施策と結びつけていったのでしょうか?

 (伊藤)事業と組織の両輪のためにまず重視したのは、特に入社2、3年目のメンバーの「自己成長」の実感値を高めることです。彼らの自己成長の実感値が、そのままマイクロアドの未来や成長に直結すると思ったからです。そのために、全社的な育成基盤や、もっと横の連携を取れる仕組みを整えていく施策です。

その1つが、「組織ドライブ室」というワーキンググループができたことです。2、3年目のメンバーがいろいろな部署から集まり、今のマイクロアドの課題などを話し合うグループを結成したのです。

(緒方)昔あった「真剣10代しゃべり場」みたいな感じですね。もっと役員に提言していこうというコンセプトでいろんな本音を話してもらいながら、会社を自分事化していける取り組みを進めています。

 −面白いですね。

(緒方)ボトムアップ型のプロジェクトになるよう、メンバーは有志で集まってもらいました。運営サポートは人事が行いますが、基本的には現場中心で進めてもらっています。やっぱり火がつけば走り出す社風があるので、うまく立ち上がっています。 

 「ミッション」の項目につながる部分でも、話し合って進める取り組みが進んでいますね。当社には「MAke(メイク)」という、あるカテゴリで話し合って役員に提言する取り組みがあるのですが、各部署の営業だけを集めて話す中で、「自分のミッションと会社のミッションのつながりが見えにくい」という話になったんです。ちょうど経営ボードもOKR導入を検討しており、現場からの声も重なったことから、スピーディーにOKRによる目標管理が導入されました。

「自己成長」の話の流れとしては、「教え合い学び合う文化」を作ることをテーマに、「育成研修:MAnavi(マナビィ)」という役員・部長陣が講師となってナレッジを組織に還元するプロジェクトもスタートしました。これはまさに、「自己成長」が下がってきたことによる危機感から生まれた施策です。

wevoxだけが直接的な起点ではないですが、全体としては課題を元に具体的なアクションに落とす取り組みを「組織ドライブ室」を中心に進め、さらに「MAke」などの場で出てきたアイデアが、育成研修やOKRといった新しい取り組みのタネになっているという感じで回り始めました。少しずついい循環ができ始めています。

組織ドライブが企画した納涼祭の様子

 

人の成長に対して意識が高い会社であるために

−「PlanS60」以外でも、マイクロアドさんは「人」に対する取り組みに積極的ですよね。

(伊藤)そこは、力を入れている部分です。ある意味、マイクロアドだから働きたいと思ってもらえる状態を目指しています。単に、QOLをあげるというものではなく、優秀な社員が生き生きと働くことを選択できるような状態を創りたいと考えていて、企画を進めています。

例えば、毎年一度は5日間休める「やすんで5」という制度や、こどもがいる社員が月に4回は自由に在宅勤務ができる「ママパパ4」、時差出勤制度の「スライド8」など、子育てをしている社員だけでなく、それぞれがよりベストな環境で働けるような施策を検討しています。 

また、創業時からずっと人気なのが「米とも」という制度で、これは入社1年目の新入社員に対して自組織以外の3人がメンターにつく制度があります。4人を家族のように見立てて、両親と兄弟が、「同じメシを食う」ことにより、定期的に面倒を見ます。所属組織を飛び越えて、いろんな人に相談できることで、全社の縦横のつながりも増えますし、社内に様々な人間関係やサポートがあることで、より業務を進めやすくなります。米とも自体は、新人をサポートするための制度ではありますが、親に選ばれることが1つの評価になっていて、みんなが目指す1つのステータスにもなっています。

(緒方)あと、同時期に入った社員を同期として集めて、経営陣も一緒に、皆の人となりを知っていくための交流の機会である「中途MeetUp」という制度もありますね。元々、wevoxでも「支援」のスコアは高いんですが、こうしたいろんな取り組みも含めて、「人」を成長させることに対して意識が高い会社だと思います。

それと同時に、賞賛文化も強いです。誰かの活躍を社内チャットにあげたりするのは、みんながやっています。

−そうやって人を大切にする文化が根付いているのは、なぜでしょうか?

(伊藤)基本的に「未来を作る人が前を向いてないとダメだ」ということだと思っています。代表がよく「DESIRE」という言葉を使います。そこには、人は夢とか希望っていう感覚ではなく、もう少し内面からあふれ出るような欲望がないとダメで、そこに火がつくから頑張れるみたいな話があります。新卒採用でも、最後の最後は、自分の中の「DESIRE」が大事ですっていう話をよくしています。

(緒方)元々、その都度いろいろな施策を打って改善を試みてきたわけですが、その施策の数々を整理し始めたのは、実は最近なんです。「全社-個人」「組織-事業」という軸でいろんな施策を分解しているのですが、それらを「これはこういうためにやっていくんだよね」と改めて意味付けていきながら、何かを改善するために使っていくんだという考え方で活用する場面が増えています。

 

全社総会での集合写真

 

−施策の整理ができていると、「ここが足りないので新たな施策が必要だよね」といった議論ができそうですね。

(伊藤)まさにそうなんです。そうして今、着々と手をうっているのが、「教え合い学び合う文化」というところです。そこがしっかりしていくと事業と組織をつなげるものになるはずだし、人の力を使って事業を伸ばしていくためにも、重要なものになると位置付けて力を入れています。

(緒方)現状は新人も含めた入社1年未満の入社歴が浅いメンバーが全体の3割くらいいるんですね。だからどうしてもコミュニケーション寄りの施策に傾きがちでした。でも、wevoxを通じて「自己成長」が下がっていることがわかったり、スキルアップのための施策が少ないといった課題がメンバーからも出てきたりする中で、組織としてのさらなる成長の可能性が見えてきています。 

−どうもありがとうございました!

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