QUICK西日本リーダーの「メンバーの障壁を取り除く」環境づくりの挑戦

QUICK西日本リーダーの「メンバーの障壁を取り除く」環境づくりの挑戦

実践的な組織づくり戦略や組織改善プラットフォーム「wevox」の活用方法を紹介する「活用事例シリーズ」。今回は、株式会社QUICKの井上美保さんにお話を聞きました。同社は日本経済新聞社グループの一員として、世界中から株式、債券、為替、コモディティ、デリバティブ、企業情報など膨大な金融デー タやニュースを集め、金融・資本市場に関わるプロフェッショナルから個人の方まで幅広いシーンに金融情報サービスを提供しています。そんなQUICKで女性初の西日本総支社長を務める井上さん。支援型のマネジメントを実践する井上さんがリーダーを務めるチームは、高いエンゲージメントスコアを誇っています。支援型マネジメントをするに至った経緯、そして高スコアの秘訣をたっぷりお聞きしました!

 

INTERVIEWEE

西日本総支社長兼九州営業所長 井上美保氏
大学卒業後、国内証券、外資系証券などを経て、2004年3月にQUICKに入社。入社後、顧客サポート、営業、マーケティング部門などを経験。2016年4月よりコンサルティング営業本部本部長補佐、2019年1月より西日本総支社総支社長兼九州営業所長。

数字の責任を持ちながら、チーム全体を見る総支社長

ー井上さんは、QUICK史上初の女性支社長とお聞きしました。そこまではどういった経歴を歩まれてきたのですか?

私はQUICKに2004年に入社して以来、マーケティングや営業など様々な仕事を担当してきました。西日本総支社長に就く直前までは本社のコンサルティング営業本部にいて、2019年の1月に今のポジションに任命されました。おっしゃる通り、女性が西日本総支社の支社長に就くのは初めての事例です。ただ、名古屋支社にはすでに女性支社長がいましたし、驚きはしましたが、抵抗はありませんでした。

ーQUICKの西日本総支社について教えてください。どのようなミッションを持つ組織なんですか。

西日本エリアの営業を担当しています。セールス&コンサルティンググループとカスタマーリレーショングループに分かれていて、新規獲得や、既存のお客様のサポートをメインに日々業務に励んでいます。西日本の証券、銀行、機関投資家、その他の金融機関、取引所、官庁、事業法人など様々なお客様が必要とする金融情報を効果的に提供するためのソリューションを提案、提供しています。

ー西日本支社の現在の組織構成を教えてもらってもいいですか?

社員が11名います。20代のメンバーが2人、30代前半が1人、あとはベテラン社員です。私が去年の1月に異動してきた時は、世代が大きく2つに分かれたチームでした。4月に本社からエース級の30代メンバーに来てもらったんですけど、彼が間に入って、うまく年齢のギャップを埋めてくれている気がします。チームは、総支社長である私と副支社長、営業部長とメンバーという構成です。部長以下は全員担当顧客を持っていて、現場に出ています。

支社長である井上さんの普段の業務内容はどのようなものですか?

まずは営業の数字管理ですね。客先にも訪問します。個別のお客様へのアプローチを考えたり、営業担当者を動かすといったことは営業部長に任せています。細かいマネジメントは営業部長、全体の数字の責任を持つのは私、という構図です。私はそれに加え、メンバーの就業時間をチェックしたり、wevoxで組織状態を把握して、適切な策を打ったりなど、本社でいう人事や総務のような役割も負っています。

こういう役割を担うのが私一人だけだと、不在時などに対応できないというリスクの観点で、2019年の4月に副支社長を置くことになりました。支社で当たり前になってきたことを見直してほしいという期待もありアサインしたのですが、フリーアドレスの導入や紙資料の削減などの職場環境の改善は副支社長の協力がなかったら実現していなかったように思います。

リーダーとして意識するのは「障壁を取り除く」こと

ーなるほど。井上さんがリーダーに就かれた2019年1月以前のチーム状態はどのようなものでしたか?

本社勤務だったこともあり、西日本総支社の状況は正確には把握はできていなかったんですけど、来た当初は少し停滞感を感じました。wevoxのスコアもあまり良くなかったんです。先ほどお話した年齢ギャップもあったんでしょう。全体的に組織状態がマンネリ化していたような気がします。

ーそうだったんですね。井上さんがリーダーになった後、wevoxのスコアが上がっています。要因は何だと思いますか?

西日本のトップが変わって刺激になったのかもしれません。私自身がすごいというわけではなく(笑)。「次の支社長は女性」ということで、周囲も驚いていましたし、刺激が入ることで以前までの停滞感がなくなりました。

ーなるほど。トップが変わった刺激というのは一時的なものですが、そこから西日本総支社は軒並み高いスコアをキープしています。

全体を引っ張っていくマネジメントではなく、支援型を実践するようにしています。環境づくりに徹しているので、メンバーは高いエンゲージメントで働けているんだと思います。メンバーが働く上での「障壁を取り除く」ことをリーダーとして強く意識しています。

ー障壁を取り除く、ですか。詳しく教えてください。

私自身が若手時代に上司や先輩にされて嫌だったことをしない、されて嬉しかったことをするようにしています。職場環境はリーダーの振る舞いに依存すると思っていて。これまでの私の職業人生を踏まえて、「どういうリーダーだといい環境が生み出されるか」「どういう環境だとメンバーが働きやすいか」を常に考えています。

本社のひとづくり本部がwevoxサーベイをとっていて、私はその結果を毎回渡されるんです。それを見て、今のチームがどんな状態で、どこに障壁があるかを把握します。ありがたいことに最近はいい結果が多く、個人的にいつも嬉しい気持ちになっています(笑)。

ーどのような行動をとっているんですか?

名前がつく大々的な施策はありませんが、意識して取っている行動は主に2つです。

1つは、コミュニケーションの量と質。11人しかいないので意識しなくても1日に必ず全員とは話していると思います。なるべくコミュニケーションの中でメンバーの困りごとや課題を回収し、解決するように努めています。例えば、西日本総支社には単身赴任の方や、大阪に元々縁がなかったメンバーもいます。一昨年キャリア採用した若手もいます。慣れない関西での生活や仕事の悩みを抱えるメンバーがいたら、たまに一緒に飲みに行くなど、なるべく寄り添うようにしています。

もう1つは情報開示です。自分が知らないうちに何か大きなことが決まっていたら、なんか嫌じゃないですか。もちろん会社ですので、開示できない情報もありますが、それ以外は全部メンバーに伝達するようにしています。私は役職上、東京の本社とやりとりをすることが多いんですが、そこで話した内容もなるべくメンバーに伝えるようにしていて、「上が何を考えているかわからない」という状態には絶対にしないです。事情もセットで伝えて、メンバーに疑問やモヤモヤが残らないようにしています。

このどちらも私のメンバー時代の感情を振り返って思いつき、行動に移した結果なんです。

メンバーには、気持ちよく働いてほしい

ートップがコミュニケーションや環境作りにフルコミットできるのはいいことですね。

営業部長がしっかり頑張ってくれているのも大きいですね。私が現場に入って「ああしろこうしろ」と細かく数字をマネジメントするという選択肢も当初はあったんですが、どうせなら思い切って任せて部長の成長機会にしてもらいたいという思いが強かったんです。今振り返っても、いい判断だったと思います。

現在のマネジメントスタイルは、時が経つにつれ確立されていきました。1年前と比べて、結果的に組織の雰囲気はガラッと変わりましたね。30代のメンバーの存在も大きいですが、コミュニケーションを多く取る組織になった気がします。ベテランと若手のかみ合いがよくなったと言いますか、一体感を持つようになりましたね。wevoxを見ても、「人間関係」のスコアが一番高いんです。

ー井上さんのリーダーとしての振る舞いをお聞きする限り、「人間関係」のスコアが高いのも頷けます。wevox、エンゲージメントについての印象を教えてください。

サーベイに答える負担が少ないのはいいことですよね。メンバーも手軽に回答できる。でも出てくる結果は細かく、的確なのでかなり助かっています。

エンゲージメントは、例えば完全年俸制で、長い年数在籍しないことを前提に働く外資系の企業にはあまり必要がないんじゃないですかね。一方、QUICKのようにずっと社員に気持ちよく働いてほしいという会社には重要な指標だと思います。やっぱり気持ちよく働いてほしいじゃないですか、メンバーには。

ーありがとうございます。最後に西日本総支社を今後どのようなチームにしていきたいか、展望を教えてください。

今のチーム状態はかなりいいと思っています。現状維持ではなく、チームとしてさらに高みを目指していきたいです。私が西日本総支社長になってから、新しいやり方で組織を変えてきました。これからも同じように、昔のやり方に固執せずどんどん新しいことをやっていくことで、さらに高みに行けると思っています。リーダーである私自身が働きやすい環境をアップデートしていくので、メンバーはその中で思う存分楽しく働いてほしいですね。

ー素晴らしい意気込みです…!本日は貴重なお話をありがとうございました。

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