wevoxを見て毎朝経営会議! 初全社テレワークをエンゲージメントUPのチャンスに

wevoxを見て毎朝経営会議! 初全社テレワークをエンゲージメントUPのチャンスに

実践的な組織づくり戦略や組織改善プラットフォーム「wevox」の活用方法を紹介する「活用事例シリーズ」。今回は、電子書籍販売サービス「ebookjapan」などを展開する株式会社イーブックイニシアティブジャパンの執行役員コーポレート本部長今井輝夫さんに話を伺いました。4月7日の緊急事態宣言の発令以降、全従業員テレワークを実施している同社では、wevoxのカスタムサーベイを活用し、従業員の状態把握とエンゲージメントの向上に力を注いでいます。「この状況において、エンゲージメントの重要性はさらに高まる」と語る今井さんが実践する数々の施策や、これからの組織づくりへの思いを語っていただきました。

 

INTERVIEWEE

執行役員 コーポレート本部長 今井輝夫氏
社会保険労務士事務所、システム開発会社、メーカーで人事として従事し労務、採用、制度、育成に携わる。2013年にイーブックイニシアティブジャパン人事担当として入社。2019年4月よりコーポレート本部長に就任し、人事総務、法務、財務経理を統括。趣味特技はキックボクシングとタップダンス。

テレワーク化以降wevoxのカスタムサーベイを週1回実施

―新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、全社的にテレワークを実施しているとお聞きしました。今日は、そうした状況の中でどのように組織づくりを行っているのか伺いたいと思います。

まず、現在の状況は誰もが経験したことのない事態で、私自身も不安を抱いているのが事実です。このような状況の中でもこれまでの弊社の取り組みを活かして、前向きに組織づくりに向き合っています。少しでも、みなさんのお役に立てるお話ができればうれしいです。

―ありがとうございます。まずは、全社的なテレワークの実施に至った経緯を教えてください。

弊社は、従来より全従業員を対象に月2回の制限付きでテレワークを認めていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2月26日に回数制限解除し、全社的なテレワークの推奨を伝達しました。3月26日には、さらに強いテレワーク推奨のメッセージを従業員に伝え、4月7日の緊急事態宣言の発令に合わせて全社的に出社禁止を決めました。現在は(4月16日取材時)、原則全従業員がテレワークを行っています。

―今回初めてテレワークを行う従業員もいるのでしょうか?

はい、初めての従業員もおります。また、全社的なテレワークの実施はもちろん初めてです。新型コロナウイルスに起因する、類を見ない社会問題の中で、どのように組織を成り立たせていくのか。みなさんも苦労されていると思いますが、我々も同様にこの課題に取り組んでいる最中です。

私自身、コーポレート本部長として人事業務も担う立場ですので、この状況下において、従業員が少しでも不安感を減らし、仕事に集中できる環境をつくるためにいろいろと施策を行っています。

―具体的にはどのような取り組みを行っているのでしょうか?

大きく変わったのは「wevox」の運用形態です。これまでは、四半期に一度、通常のサーベイを行っていました。その結果をもとに、グループごとのマネージャー層と人事、経営陣で組織開発会議を開き、次のサーベイまでに取り組むことなどを話し合っていたのです。

テレワークの従業員が増えてきた3月16日からはこの通常のサーベイに加えて、週に1回、カスタムサーベイ機能を使って、従業員にテレワーク下での状態を聞くようにしました。

「働く意欲に変化はないか」「先行きが見えないことに対する不安」「従業員間コミュニケーションの苦労」「フィジカル面での問題」といった点を、6個ほどスケール(定量化する質問)と自由回答(フリーコメントで回答する質問)を組み合わせたカスタムサーベイで回答してもらっています。

 

 

―毎週カスタムサーベイを実施するとは、かなりドラスティックに運用を変えたのですね。

我々自身もテレワークの中で、どのように組織づくりを行えばいいか、戸惑いを感じているのが正直なところです。同じオフィスにいないので、従業員たちの表情も見えないですし、何かあっても対面で話をすることができない。これまでのやり方が通用しない中で、従業員の状況を把握し可視化できるwevoxがあって本当に良かったです。

特にカスタムサーベイのように、緊急事態に応じて必要なサーベイができる機能があることはありがたいですね。

―ありがとうございます。

従業員からは特にUIの評判が良くて、負荷なく回答できるという声を聞いています。我々としても、管理画面上で、過去のスコアの推移が可視化されるので、どのようにそれぞれのチームのコンディションが変化しているのか把握がしやすい。スコアを単体で見ても、それが高いのか低いのかよく分からないし、打ち手を考えにくいですよね。でも、スコアの変化をグラフで見れば、上下した要因にフォーカスして打ち手を考えられます。

こうしたメリットは、コロナ問題が発生する前から感じていたのですが、全従業員テレワークとなった今、一層そのメリットを感じています。テレワーク以降のスコアの変化も既に出てきており、従業員のコンディション把握にかなり役に立っています。

興味深い、テレワーク化以降のスコアの推移

―テレワークに関するカスタムサーベイのスコアの推移について教えていただけますか?

はい、グラフの推移のみになりますがお見せします。最初にカスタムサーベイをして1週間は「体調面」「働く意欲」はスコアが上がっているのですが、その後下降しています。おそらく、最初は少し物珍しい点もあって気にならなかったけど、徐々に疲れが出てきていることが推測できます。

一方で、「コミュニケーション」「次月以降のテレワークへの意欲」については、最初苦労や不安を感じつつも徐々にスコアは改善されている。これは、時間が経つにつれて、オンラインでのコミュニケーションに少しずつ慣れてきている証拠です。

―この推移はとても興味深いですね。みなさん、徐々にテレワークに慣れつつも、一方で疲れも感じている。こうして計測したデータを、組織づくりにどのように活かしているのでしょうか?

計測したデータを、毎朝の経営会議の参加メンバーで確認しながら、どのように組織づくりの施策を打つか話し合っています。スコアやフリーコメントに目を通しながら、テレワーク下においてどのようなケアが必要か意見を出し合い、実行に移しています。

―毎朝とは高い頻度ですね。

これまでにない事態ですし、日々状況が変わりますからね。この経営会議によって、各チームにおいても毎日の朝会を始めたり、1on1の頻度を上げ、上長とメンバーのコミュニケーション量を確保するよう努めています。また、毎週のカスタムサーベイでも1on1について聞いており、不安な点、苦労している点をなるべく早くキャッチアップする、といった動きが生まれています。

それから、新入社員に対するフォローも力を入れています。特に今期の新入社員は、4月に正式入社して以降、まだ対面でのコミュニケーションができていない状態ですし、新入社員と会えていない従業員もおります。オンラインで入社式などは行いましたが、今後に対する不安は、我々が抱くよりも特に大きいはずです。

サーベイの活用には経営陣のコミットが重要

―新入社員という立場でのテレワークにはより大きな不安がつきまといますよね。

はい。そのため、wevoxのスコアも特に新入社員に関しては細かくチェックしています。具体的なアクションとして、人事が毎週1回の頻度で1on1を行ったり、外部に依頼している技術研修(プログラミング研修)の補習を、日替わりで先輩のエンジニア従業員にオンラインで実施してもらったり、いろいろと打ち手を講じています。この技術研修補習では、研修内容について分からないことを聞くことに加え、何気ない雑談を交わし、不安な点を先輩たちと話す機会にもなっています。

私自身も、積極的にコミュニケーションを取るようにしています。以前、webの記事で見たアンガーマネジメントゲームをアイスブレイク的に新入社員とやってみたり、Zoomの画面構成を活かしてハートの人文字を作るゲームをしたり、と試行錯誤しています。

特に新入社員に対しては、「コミュニケーションしすぎる」くらいの感覚でいないと、不安は拭えないのかな、と感じています。

―マネージャー層に対しては何かメッセージを発信していますか?

マネージャーたちに対しても、「コミュニケーション頻度を意識的に上げていこう」と伝えています。マネージャーたちも不安はあると思いますが、だからこそ従業員たちとしっかりとコミュニケーションを取ることが大切です。

これまでも、弊社ではマネージャーが主体となって組織づくりを行う体制の構築に尽力してきました。我々人事はあくまでフォローをする立場で、施策を考えて実行するのはマネージャーたち。四半期に一度、wevoxのスコアをもとに行ってきた組織開発会議の経験が、こういうときにこそ役に立つはずです。

―イーブックイニシアティブジャパンは、経営陣も組織づくりへ深くコミットしている印象です。

はい。マネージャー層の組織づくりへの意識を高めるためには、経営陣のコミットは欠かせません。執行役員はそれぞれの担当部署の組織開発会議には出席し、必要な判断はすぐに経営陣が行えるようにしています。

従業員目線で考えても、せっかくサーベイに協力したのに、会社側が何も動かなければ、回答する価値を感じられずに意欲が薄れていきますよね。そうではなく、wevoxがしっかり機能していることを感じてもらうために、経営陣がコミットし、組織のために動いている姿を見せることが大切です。

エンゲージメントはwith/アフターコロナにおいて重要度が増す

―この4月に新たにエンゲージメントチームを立ち上げたそうですね。このチームの発足は、新型コロナウイルスの問題が発生する前から決まっていたのですか?

はい、決まっていました。働き方や組織づくりに対する新しい考え方が生まれてくる今の社会状況において、人事としてこれまでの管理的業務に加え、従業員が働きがいを持ち、楽しく働ける環境をつくる役割も重要になってきます。そうしたミッションにこれから取り組んでいく意思表示も含めて「エンゲージメントチーム」を新たに立ち上げたのです。

立ち上げた矢先に、コロナ問題への対応が必要になったのですが、期せずして重要なタイミングでエンゲージメントチームが立ち上がったことになりますね。

―コロナ問題は先行きが見えない状況が続いていますが、こうした中でエンゲージメントが組織づくりにおいてどのように機能すると思いますか?

まさに、今こうして従業員同士が離れているときこそ、エンゲージメントが必要だと日々痛感しています。同じオフィスで働いていれば、それだけでも繋がりを感じられたとは思いますが、こうして顔が見えない状況になって、我々がどのように繋がっているのか。それを示す指標として、エンゲージメントの重要性が増してきています。

特に、最近の経営会議ではテレワークへの順応が徐々に進むにつれて、アフターコロナの組織づくりについても話し合う時間が増えてきました。我々の見解としては、終息後も、きっとテレワークを希望する人が増えるだろうと思っています。

そんな、柔軟な働き方が当たり前になった後の社会で、どのように組織づくりをしていくか。こうした将来的な視点においても、エンゲージメントがやはり重要な考え方になってくるはずです。

―そうした将来も見据えながら、これからどのような組織づくりを目指していくか、展望をお聞かせください。

柔軟な働き方がもっと広まったとして、これまでよりも個々の従業員が「自走する力」が求められると考えています。例えばテレワークでは、自分の役割をしっかり認識し、自ら考え業務を進めていく力が必要になってくる。だから、「各々が自走する力を付けている組織」がこれから目指す1つの姿です。

しかし、それぞれが自走する力を持てば持つほど、組織としてのまとまり、一体感が損なわれるリスクもあります。各々の自走する力を、組織としての力に繋げ、高い生産性を実現する。そのために、まさに繋げる力としてエンゲージメントが増々重要になってくるはずです。

そうした中、まずはこの状況下で「今はエンゲージメントが下がってもしょうがない」ではなく「こういう状況だからこそエンゲージメントが高まるチャンスだ」という意識を持つことが重要です。そして、アフターコロナの社会において、各々が自走しながらも、高いエンゲージメントを誇る企業として、存在感を示せるようにする。これが、今私が抱いている展望です。人事の腕の見せどころですね。

wevoxの全てが丸わかり!

CTA-IMAGE エンゲージメントをスコア化することで離職防止やパフォーマンスの可視化につなげることができるwevox。 wevoxの説明資料やエンゲージメントに関する資料が一括で見ることができます。

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